[2023.12.22] 衛星通信を手掛けるLynk Global、上場を検討

宇宙業界に関心のあるビジネスパーソン向けに、1週間に起きた宇宙ビジネスのニュースや宇宙ベンチャーの資金調達情報、イベント情報を発信しています。
・今週の宇宙ビジネスニュース
・資金調達/M&Aニュース
・イベント情報
・編集後記
Orbits編集部 2023.12.22
誰でも

こんにちは。

これまで海外の宇宙関係の機関へまだ見学がしていなかったこともあり、宇宙工学の学科を設置している台湾の大学へ行ってきました。台湾は他の国と比較して、衛星通信や地上局周りの分野が盛んだそうで、現在宇宙産業の強化に力を入れているそうです。

その矢先、台湾の鴻海精密工業が人工衛星の量産に乗り出すというニュースも報道され、今後台湾の宇宙産業の展開が楽しみです。(近日中に台湾の宇宙産業についてまとめた記事も執筆予定です)

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📰今週の宇宙ビジネスニュース

  • スマートフォンへの衛星通信サービスを提供するLynk Globalが、NASDAQへ時価総額8億ドル規模のSPAC上場をする計画を発表しました。地元携帯電話企業と連携して島国向けに通信サービスを提供しており、最終的に5,000機の衛星コンステレーションを構築する計画です。

  • 衛星バスシステムの量産を目指すApexが、衛星の生産能力を増強させるために、新たな工場「Factory One」の建設完了を発表しました。最大100kgのペイロードを搭載できるAries、最大230kgのペイロードを搭載できるNova、最大500kgのペイロードを搭載できるCometを開発しており、2024年3月までに最初の衛星を打ち上げ予定です。2026年までに年間50台の衛星バスシステムの開発体制を整える予定です。(Apexについては、こちらにまとめています)

  • 月面着陸船を開発するAstroboticは、2024年1月初旬に最初の月面着陸船「Peregrine」を打ち上げる計画を発表しました。ロケットはユナイテッド・ローンチ・アライアンスのものを使う予定で、着陸船にはNASAを含むペイロードを20個搭載しており、2月下旬に月面に着陸します。

  • ジェフベゾス率いるBlueOriginは、垂直着陸型の再利用ロケットNew Shepardの打ち上げに成功しました。今回の打ち上げが昨年の事故以来の打ち上げで、教育系NPOからのポストカードを含む、33個のペイロードが搭載されていました。これまで31名の宇宙へ飛行させることに成功しており、今後も今回のロケットを使用した宇宙旅行サービスも継続的に提供していきます。

  • Amazonの衛星通信サービスProject Kuiperは、宇宙船間で赤外線レーザーで通信を行う光通信間リンク(OISL)の技術実証に成功しました。今回の技術実証により、地上の光ファイバーケーブルよりも30%も高速にデータを送受信できるようになります。

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💰資金調達・M&Aニュース

  • 小型衛星の量産や地球観測事業を手掛ける、アクセルスペースホールディングスが、シリーズDラウンドでSMBC-GBグロース1号投資事業有限責任組合をリード投資家として、約62.4億円の資金調達を実施しました。今回の調達資金は、子会社での地球観測サービスの強化や小型衛星の量産サービスの本格化などに充てられます。

  • 防衛産業向けに宇宙物体の監視サービスを提供する、米国True Anomalyが、シリーズBラウンドでRiot Venturesをリード投資家として、EclipseやACME Capital、Menlo Ventures、Narya、645 Ventures、Rocketship.vc、Champion Hill Ventures、FiveNine Venturesから1億ドルの資金調達を実施しました。2024年3月までに軌道上の他の衛星に接近し、作業することができる宇宙船を打ち上げる予定です。

  • 再利用可能なロケットを開発する、中国Galactic Energyが、シリーズCラウンドで1億5,400万ドルの資金調達を実施しました。現在開発中の中型ロケットPallas-1は、LEOまで14,000kgを打ち上げることができ、2026年までに打ち上げ予定です。

  • Starlinkを活用したデータセンターを運用する、米国Armadaが、Founders Fund、Lux Capital、Shield Capital、8090 Industriesなどから5,500万ドルの資金調達を実施しました。

  • 衛星コンステレーション向けのミッション管理ソフトウェアを提供する、米国Cognitive Spaceが、OpAmp Capitalから資金調達を実施しました。

  • 軌道上で使う3Dプリンターを開発するドイツOrbital Matterが、プレシードラウンドでSunfish Partnersをリード投資家として100万ユーロの資金調達を実施しました。

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🚀イベント情報

  • 2024年2月10日(土)・11日(日):第17回宇宙ユニットシンポジウム(詳細)

  • 2024年1月26日(金):2023(令和5)年度 宇宙科学情報解析シンポジウム(詳細)

  • 2024年2月27日(火):超小型衛星利用シンポジウム2024(詳細)

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✏️編集後記

いよいよ年末に近づいてきました。このニュースレターの登録者もまもなく200名達成です!みなさま、ご愛読いただきありがとうございます。今後とも海外の宇宙ビジネスについて発信していきますので、引き続きよろしくお願いいたします!

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