米宇宙軍の投資加速(2023/9/23)
・今週の宇宙ビジネスニュース
・資金調達/M&Aニュース
・イベント情報
・編集後記
おはようございます。
先週の米国小型ロケットスタートアップFireflyの米宇宙軍の戦略対応型打ち上げミッション成功に続き、今週かアメリカでは宇宙軍関連のニュースが多くみられた気がします。今後の宇宙ビジネスの情報を追う中で、「Space Force(宇宙軍)」は切っても切れない存在になりそうですね。
まだニュースレターに登録していない方は、こちらからご登録ください。毎週金曜日に1週間で起こった宇宙業界のニュースについて配信しております。
📰今週の宇宙ビジネスニュース
-
3Dプリント製の小型ロケットを開発するABL Space Systemsが、米宇宙軍の戦略対応型打ち上げミッション(TacRS)実証のためのパートナーに選ばれました。米宇宙軍は宇宙船を数日以内に統合し、指令から数時間以内に打ち上げる能力を求めており、今回小型ロケットRS1の開発に関して1,500万ドル規模のSTARTFI契約を締結しました。また、TacRSは2年以内に実施される予定です。
-
宇宙領域認識(SDA)の技術開発を行うTrue Anomalyが、米国宇宙軍の宇宙領域での意思決定を支援するために1,710万ドルの契約を締結しました。SBIRフェーズ3契約を通した48ヶ月間の契約になっており、宇宙軍むけのSDA技術の開発を行います。同社は元宇宙軍を含むメンバーで創業されており、宇宙物体の追跡技術や宇宙船の軌道上での動作判別技術、宇宙物体の軌道予測技術などを現在開発しています。
-
宇宙空間での製薬プラットフォーム事業を手掛けるVarda Space Industriesが、アメリカ連邦航空局FAAから実験のサンプルを搭載したカプセルの地球への再突入の許可が降りないことを報じました。はSpaceXのTransporter-8で2023年6月に軌道上へ打ち上げ、打ち上げられた宇宙船内でHIVの治療薬の製造実験を行っていました。同社によると、宇宙船は軌道上で1年間は使用できるように設計されているため、FAAから再突入許可が下りることを目標に交渉を進めていきます。
-
アメリカ連邦航空局FAAが、宇宙ごみの削減をするべく打ち上げ会社に対してロケットの上段部分の廃棄を義務付ける新たな規則を発表しました。打ち上げ業者は上段部分の再突入や5年以内に軌道上から回収、再突入による廃棄など5つの廃棄方法から1つを選択する必要となります。
-
完全再利用可能なロケットを開発するStoke Spaceが、再利用可能な第二段ロケットの垂直打ち上げ・垂直着陸試験に成功しました。高度約10mまで上昇し、所定の位置に着陸し、自社で開発したロケットエンジン、制御システム、アビオニクス、地上システムなどが動作することが実証されました。今後は24時間の納期で100%再利用可能なロケットを開発を進めていくそうです。
💰資金調達・M&Aニュース
-
宇宙空間の交通管理ソフトウェアを開発するKayhan Spaceが、シードラウンドでSpace CapitalとEVE Atlasから7,000万ドルの資金調達を実施しました。現在は基本機能を搭載した無料プランと、追加機能を提供する有料プランがあります。今回の調達資金は、採用活動とワシントンDCエリアへのオフィス開設に充てられます。
🚀イベント情報
-
2023年9月30日(土):Interstellar Technologies Recruit Day in Tokyo(詳細)
-
2023年10月24日(火):宇宙ビジネス×炭素繊維複合材料 -東レの先端素材で実現する軽量化-(詳細)
-
2023年11月27日(月)-12月1日(金):NIHONBASHI SPACE WEEK(詳細)
✏️編集後記
今週は先日発売されたイーロン・マスクの公式伝記を読み耽っていました。SpaceXの創業ストーリーや立ち上げ初期の苦闘など、これまで出版されている本や記事よりも相当詳しく解説されていたので大変おすすめです。個人的には、SpaceXの初期メンバーでFalcon9のエンジンの開発をしたトム・ミューラーについてもまとめられていたのが推しポイントです。
ニュースレターの感想やご要望、Twitterでの紹介など大歓迎です。ニュースレターを書き続ける励みになりますので、皆様からのコメントお待ちしております。お問い合わせはこちらまで。
Orbitsでは宇宙業界に関心のあるビジネスパーソン向けに、宇宙ビジネスのニュースを毎週金曜日に配信しています。まだニュースレターを登録されていない方は、ぜひ以下のボタンからご登録ください!
すでに登録済みの方は こちら